隠れ糖尿病「低血糖症」とは?
その診断に必要な「5時間糖負荷検査」とは?
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「かくれ糖尿病」とも言われている低血糖症(血糖調整異常症)。 ブドウ糖を飲んだ後の血糖値を計測する「5時間糖負荷検査」で診断することが出来ます。
実は、先日の日本抗加齢医学会でも、糖質制限・低血糖症に関する講義を聴いて、自覚症状、家族歴があったため、「もしかして自分も低血糖症ではないか?」という疑問が浮かび、先日、5時間糖負荷検査を受けてきました。
正式な結果は、1カ月後に訊くことになっていますが、簡易検査の結果では、4時間後の血糖値が40台で、低血糖症は疑いの余地がありません!
<自分で低血糖症と疑った理由>
最近5年間は、健康的な食事、ポジティブなメンタルなど、健康に気を付けた生活をしていましたが、以下の点から
*慢性疲労気味(10数年前より)
*食後、極度の眠気がある
*母が糖尿病
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<低血糖症とは?>
空腹時血糖値は正常値なのに、食後、血糖値が急上昇して、その後、インシュリンが大量に分泌され、血糖値がジェットコースターのように急降下するのが低血糖症で、隠れ糖尿病とも言われています。
食後の高血糖時に、活性酸素が大量発生するため、血管に酸化ストレスを与え、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞を誘発する。
次に襲ってくる低血糖時に、脳に栄養(ブドウ糖)が行き渡らないため、脳がストレスを受け、アルツハイマー型認知症を誘発する。
肝臓、副腎、すい臓の疲弊、自律神経が乱れにより、ホルモン分泌が乱れ、慢性疲労、精神障害など様々な症状が出るという、大変厄介な病気です。
実はこの低血糖症、空腹時血糖値は正常値でも、自覚症状があれば疑ってかかるべきで、ある実験では「健常成人26人の5時間糖負荷試験を実施したところ、31%にあたる8例の方が 59 mg/dl以下の血糖最低値を取っていた」とのことです。
慢性疲労気味、食後に強い眠気がある、元気が足りない、気分が良くない、うつ気味という方は、「低血糖症」検査することをオススメします。
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<医師の間でも一般には知られていない低血糖症>
まず、私は会社の診療室の医師に相談したところ、「空腹時血糖が正常値の範囲なので、食後血糖値は測る必要がない!食後眠くなるのは当たり前!そんなに食後に眠くなるならアメをなめていれば良い!」と相手にされず、更に、会社の他の医師(顧問の内科医)も同様の反応でしたが、食後1時間後の血糖値だけは検査を受けることが出来ました。結果は139とそれ程高過ぎることはありませんでした。
食後血糖値を正確に調べるため、5時間糖負荷検査を受けようと思い、日本抗加齢医学会の講義で3回ほどお話をお聴きしたことのある溝口先生のクリニックで検査を受けることにしました。
<5時間糖負荷検査とは?>(新宿溝口クリニックの場合)
*検査前に、検尿、採血を行なう。
*ブドウ糖が入った飲み物を75g飲む。
*その後、血糖値検査のため採血(最初の2回は15分毎、次の5回は30分毎、最後の2回は60分毎に5時間)を行ない、体温、血圧、体調の変化を記録する。
*検査中はクリニックのリクライニングシート、又は簡易ベッドで横になり休息する。本を読むことも可能。
*検査費用は15,320円(税込み)。
*栄養検査(ビタミン・ミネラル欠乏等の検査)も別途費用を払えば可能。
*通常は2週間後(私の場合は他の検査も加えたので1カ月後)に、検査結果が出る。
*ブドウ糖液飲用後、2時間血糖値を検査する「ブドウ糖負荷試験」では、低血糖症を見逃されますので、5時間の検査が必要。
私の場合、3時間過ぎた辺りから、「疲れたけど眠れない変な症状」が出ました。看護士さんが簡易結果(4時間後の血糖値が40台)を教えて頂きましたので、低血糖症ということは間違いありません。
<低血糖症の原因は?>(私の場合)
あくまで推測ですが、以下の原因が考えられます。
◆甘いお菓子をたくさん食べてきた!
子供の頃から甘いモノが大好きで、特に、高校生の頃から、自分で買い物をするようになって、勉強しながらの「ながら菓子喰い」を毎日のようにしていました。菓子の「ながら菓子喰い」には要注意です!健康長寿を真剣に学び、実践し始めた5年前までは、甘いモノをたくさん食べていました。
◆ストレスの蓄積!
水銀汚染(銀歯の下にアマルガムの残渣がある由)、過労、離婚前の結婚生活など、ストレスが相当蓄積している。
◆睡眠不足!
長期間にわたり、睡眠が不足していたようです。
◆筋肉量が少なめ!
私は身長178cm、69kgで、肥満ではありません。が、筋肉量が多いとは言えません。
◆糖尿病の家族歴!
母が糖尿病で、父も母も脳梗塞になりました。低血糖症の人は脳梗塞になり易いので、両親共、低血糖症の可能性があります。
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<低血糖症対策>
溝口先生によると、低血糖症で疲弊した脳、肝臓、副腎、すい臓の疲労回復、ホルモン分泌と自律神経の正常化を目指すため、十分な休息、食事療法、適度な運動習慣が必要とのことでした。一部、日本抗加齢医学会総会での講義内容、溝口徹先生の著書、その他HP等の情報を加え、対策を纏めました。
◆低血糖症対策(1)休息編
(1)ストレス回避と休息
ストレスに抵抗するホルモンを出す臓器 ”副腎“が、血糖調整に中心的な役割を果たしている。軽度なストレスでも副腎に負担が掛かると、血糖調整が不調になるので、肉体的ストレス、精神的ストレスを極力避けて、カラダを休める。
(2)十分な睡眠
血糖調整機能は自律神経によって調整されるので、夜11時までには就寝して、毎日8時間の睡眠を取る。熟睡するために、夜間のパソコンは避ける。
◆低血糖症対策(2)食事編
(3) 糖質を減らしておかずを増やす。糖質制限食にする。
炭水化物の量を減らして、良質なたんぱく質を多めに摂る。外食では砂糖をダシ、タレに多用しているメニューは避ける。ごはん、パンなど糖質を減らして、温泉卵、納豆などおかずを増やす。
糖質制限食については、「糖質制限食の効果【第14回 日本抗加齢医学会総会レポート④】」を是非ご覧ください。
(4) GI値の低い食品を摂る。果物を制限する。
白米は玄米に、白パンは全粒粉のパン、ライ麦パンに変えるなど、未精製の食品を摂る。ラーメン、うどん、そうめんも避ける。
副腎、肝臓、すい臓も疲労しているので、砂糖、蜂蜜、人工甘味料等を含む清涼飲料水・菓子類はNG。 果物も果糖が血糖を急上昇させるので、最小限にする(特に朝は避ける)。
(5) 食物繊維豊富な食材を摂る。
大麦・モチ麦、野菜、きのこ、海藻など、食物繊維豊富な食材を摂ると、血糖値が上がりにくい。
大麦・モチ麦のでんぷんの消化吸収速度は遅いので、玄米、白米に3割混ぜて食べると、過ぎの食事も血糖値が上がりにくい。
(6) 食べる順番を変える。GI値の低い食品から摂る。
食物繊維の豊富な野菜、みそ汁、肉類、ごはん(糖質)の順番に食べる。
(7) 食べ過ぎない。
沢山食べ過ぎるとその分糖質も摂るので、食後血糖値が急上昇しやすい。(但し、徹底した糖質制限食の場合は、余程食べ過ぎない限り大丈夫)
(8) たくさん咀嚼してゆっくり食べる。
早食いをするとインスリンの働きが追いつかず、食後血糖値が急上昇しやすい。ひと口ごとにかならず箸をおく。
(9)カフェインを避ける。
カフェインは血糖を不安定にするので、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、チョコレートを避け、水・麦茶・ハーブティーに変える。
(10)サプリメントでの栄養療法
不足しがちなビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンC、βカロチン、プロテイン等を補給する。・・・専門医による血液検査をオススメします。
◆低血糖症対策(3)運動編
(11) 食後20分程度早歩きする。
インシュリンを使わずに筋肉に糖を取り込むことで血糖値の上昇を防ぐ。
(12) 筋トレで筋肉量を増やす。
筋肉量を増やすことで血糖値の上昇を防ぐ。
(13) 低血糖の症状が出る前に身体を動かす(食後1-3時間後)。
低血糖になると、体は血糖値を上げようとして、交感神経を優位にするため、精神症状を引き起こす。低血糖の症状が出る前に交感神経を優位にすると低血糖の症状が緩和される。
◆低血糖症対策(4)体内の有害物質除去
(14)アマルガム除去
過去に治療した虫歯が多い方は、その中に、水銀を含むアマルガムが残留している可能性もあるので、専門の歯科医で治療する。
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今回検査を受けた新宿溝口クリニック院長 溝口徹先生は、栄養学に大変お詳しく、多くの実証例のご経験も豊富で、多くの著書も出されています。
その1冊、「うつは食べ物が原因だった!」を纏めました。
ちょっと、慢性疲労気味、元気が足りない、気分が良くない、という方はもちろん、医療従事者、管理栄養士、教育関係者にオススメの本です!是非ご覧ください。
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<溝口徹先生関連HP>
◆ 新宿溝口クリニック http://www.shinjuku-clinic.jp/
◆ オーソモレキュラー.jp http://www.orthomolecular.jp/
(*)「オーソモレキュラー.jp」オープニング記念講演会が、2014年8月31日(日)に開催されます。(参加費無料)
. 詳細はこちら ⇒ http://www.orthomolecular.jp/info/seminar20140831/
<低血糖症に関するHP>
◆低血糖症とは?(新宿溝口クリニック )http://www.shinjuku-clinic.jp/konnakata/sugar_syndrome.html
◆低血糖症 その10 「低血糖症に対する食事のとり方」 http://chirotic.exblog.jp/16711549
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<食生活・栄養関連の投稿>
◆ うつは食べ物が原因だった!(溝口徹先生)【健康長寿オススメ良書】
◆ 砂糖、甘味料の摂り過ぎ注意! ~ 糖尿病、低血糖症、認知症、うつの原因
◆ 1975年の食事に近付けよう!【第14回 日本抗加齢医学会総会レポート①】
◆ 江戸時代の食事に戻ろう!【第14回 日本抗加齢医学会総会レポート②】
◆ 腸内環境を改善しよう!【第14回 日本抗加齢医学会総会レポート③】
◆ 糖質制限食の効果【第14回 日本抗加齢医学会総会レポート④】
◆ 汚れた腸が病気をつくる(医学博士バーナード・ジェンセン著)【健康長寿オススメ良書】
◆ 食べ過ぎない! 【健康長寿のための食生活 (1)】
◆ 全ての病気の原因は消化不良から! 【健康長寿のための食生活】
◆ 腸内環境を整える!【健康長寿オススメ動画】
◆ 大塚貢先生講演報告&動画
◆ 酵素断食(ファスティング)
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